もっと友だち力を利用しよう!パーティ成功の鍵は〝人づかい〟

今はもう、育ってだいぶ大きくなってしまったのですが、かつて、我が家の子どもたちが揃って通っていた幼稚園は、地域ごとに存在する公立ではなく、私立幼稚園ながら、住居からわずか数分の場所にありました。外国語教育などの盛んな幼稚園で、その特色に惹かれて、離れた地域から通ってくる友人もいました。幼稚園から近い位置にあったため、そのような遠路はるばる組の友人には、「ウチでちょっと休んでいく?」などと声をかけ、親子共々楽しい時間を共有したものでした。

その友人親子とのかけがえのない時間の中で、生み出されたスイーツ(?)があります。遠路はるばる組の中でもとくに親しかったN親子。そのママはたいへんアルコールにつよいタイプ。お土産においしいワインを携えてきてくださることも多かったですし、我が家でも、「明日はNさんが遊びに来るからビールを買って、キンキンに冷やしておこう」と思い、実行していたものでした。

アルコールが入ってほろ酔い状態で、「夕飯の支度とか、ちょっと面倒ね〜」、「あ、でも今日は主人が飲み会なの。夕飯の支度はしなくていいの」、「私たちはおつまみとか、たらふく食べて夕飯要らないしね〜」などとまったり語り合っていると、ノンアルコール(当たり前ですが)の子どもたちが、「ママ〜。お腹空いた」と遊びを一区切りしてやってきました。子どもたちと一緒に食べるつもりのスナック菓子も、お酒のつまみに二人でポリポリやっていたので、ほとんど残っていません。空腹の子どもたちに、いったい、何食べさせる?

そこで、私は閃きました。

「先日、バレンタインチョコをつくった残りの板チョコがあるの。あと、パイ生地も。それでチョコレートパイをつくってみようか」。

わー、スゴイ!と子どもたちから歓声があがりました。友人が、「じゃあ、お手伝いするわ」と、ほろ酔い気分で、冷蔵庫でガチガチに固まった板チョコを細かく刻んでくれました。私がめん棒で伸ばしたパイシートに、子どもたちがチョコを乗せて成型。温めたオーブンで焼きました。

できあがったチョコレートパイの美味しかったこと!「ほとんどやる気がなくてもこんなに美味しいものがつくれるのね〜」と感嘆する私に、友人は、「あのね、このパイの成功の鍵はあなたの遠慮のない〝人づかい〟にあるのよ?チョコ刻んだのは私ですからね…!」そう言って笑いました。

なるほど!我が家でパーティを開催することは結構多いのですが、いつも、友人たちがあれこれ世話を焼いてくれたことを思い出しました。パーティの前に、早めに来て、掃除や片付けを手伝ってくれた友人、ちらし寿司をつくるための焼き鮭のほぐし作業をひたすらつづけてくれた友人、私がもっとも苦手な皿洗いを最後まで居残って遂行してくれた友人…。

感謝とともに言いました。「パーティの成功の鍵も、人づかいの荒さにありそうね!」。

「人づかいが荒いって言うのは、あまりコトバがよくないから、…友だち力とでも言いましょうか。でも、毎回、あなたの企画するパーティは楽しかったから…、これからもよろしくね。友だち力いくらでも発揮するから!」。

あなたもパーティを成功させたかったら、人づかい、いえいえ、友だち力をとことん利用しちゃいましょう!!