暑がりさん、寒がりさん、双方に配慮した会場準備、どうしたら?

以前、共通の友人Aさん宅に招かれた友人のKさんが、こっそり不平を漏らしていました。

「Aさん家、真夏だって言うのに、クーラーをかけてないのよ!しかも窓も開いてないの。マンションの2階で、外から丸見えだからって言うのが窓を開けない理由らしいけど、窓閉めっきりなら、クーラーかければいいじゃないね?部屋がだだっ広いから、エアコン代がバカにならないから、節約のつもりなのかしら?遊びに来てる子どもたちも汗だくでふうふう言ってて…。もちろん私も暑くてしょうがなかったけど、あれで熱中症にならなかったのが不思議なくらい!」。

私自身は、今までAさん宅に遊びに行って「暑かった」という記憶がまったくなかったのです。窓を閉めっきりだったかどうか?までは、記憶がさだかではないのですが…。逆に私は、Kさん宅に遊びに行くたびに、「ちょっと寒い…」と感じているのでした。秋風の冷たい日も窓が開け放っていました。Kさん宅は夫妻とも喫煙者なので、タバコの匂いが部屋に籠もらないための工夫だったかもしれません。

「こんな寒いのは、私が薄着だから?」とKさんの服装をチラッと見やると、半袖Tシャツの上にベロアパーカーを羽織った出で立ちの私に比べ、なんとKさんは半袖ニット!さらに薄着なのでした。きっと新陳代謝が活発なのでしょう。

KさんがAさん宅に遊びに行った、その真夏日だった日、「クーラーはかかってなかった」とKさんは記憶しているけれど、もしかしたら、28度設定くらいでクーラーはかかっていたのかもしれません。暑がりのKさんにとって、Aさん宅は「ケチってクーラーもかけてない」と感じられたようですが、もし、私が遊びに行ったら、「28度設定を守っているのね。体感温度がちょういい。好ましい」と感じたのかもしれないのです。

かように、暑さ、寒さの感覚は人それぞれ。自分の体感温度が標準、正しいと思っていても、仮にそう感じられるのが、世の中に於ける主流、標準、〝多数派〟だったのだとしても、たまたま、遊びに来てくれた方が、あなたとは真逆の体感を持っている人だったとしたら、標準であることにはなんの意味もありません。招いた方が複数だったら、寒がりの人も、暑がりの人も微妙に混じり合っているかもしれません。そうなると、温度設定はいったいどうしたらいいのか?エアコンはつけるのか?窓を開けるのか?非常に悩ましい部分であります。

そんなときのために、このような提案をしたいと思います。まず、部屋の温度は細々動くあなたがちょうどよいと感じるより、少し高めに設定しましょう。お客様は、おそらくあなたより、動きが少ないはずで、じっとしている時間も多いでしょうから、動き回っているあなたがちょうどよい、と感じる温度では少し肌寒く感じるかもしれないのです。

秋口、冬場は、ブランケットを用意し、寒がりさんに使ってもらうといいですね。夏場はうちわを置いておいたらいかがでしょうか。飲み物は温かいもの、冷たいもの、両方を用意するようにしましょう。こんな飲み物くらいで?と感じる向きもあるでしょうが、飲み物ひとつで体感温度というのはだいぶ変わってくるものなのです。飲み物の好みを尋ねたとき、温かいものを所望した人には、よりあたたかい場所、冬場でしたらエアコンの風の来るあたり、夏場だったら、風の来ない場所に来て頂くのがスマートです。「氷の入った冷たいモノ」、「キンキンに冷えたビール」などを所望される方は暑がりさんの可能性がありますから、その真逆のエリアをご案内するとよいでしょう。